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Azukish

消えゆく世界と流れる未来に最後の灯を since 2006/4/3

2024/04/17

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2017/04/08

アメリカで虫垂炎になった

タイトルの通りです。
2017/5/16追記あり。一番下。


事の発端

早朝4時ごろに腹部に張りを感じ、いつものかと思っていたら、痛みがどんどんひどくなった。
今までの痛みとは違う感じの。悪いものを喰って腹を壊したのとも違うし、ガスが腹に溜まって痛くなったのとも違った感じだった。
8時になるのを布団の上で七転八倒しながら待ち(本当に腹を抱えてのたうち回ってた)、会社に今日は休むと連絡。
そのうち治るだろうと楽観していたが、13時の時点で治らず。
この間、食事は水と朝に飲んだオレンジジュースのみ。
意外と絶食が後の検査でキーとなったっぽい
13時過ぎたあたりでふっと少しだけ痛みが軽くなった感じがあったので、UBERを使って会社と提携してる診療所へ向かう。
この時に救急を呼ばなくて正解だったと思う。こちらの救急車は使うと高いと聞いたため。

診療所

その診療所(というかアメリカでこういう医療系の施設)を使ったのは初めてだったので、一番初めに問診票のような物を書く。
氏名・年齢・生年月日などの基本的な情報から、親の慢性的な持病・死因、自身に関するアレルギー情報・生活習慣、今回の症状など。
アレルギー情報や生活習慣に関する欄は数十個(100個以上?)あって、見たこと無い単語も多いので、スマホで調べながら一つ一つ確認していく。
症状に関しては腹痛(Stomachache)、食欲不振(Poor appetite)あたり。下痢(diarrhea)や吐き気(nausea)、嘔吐(vomit)は今回は無かったので未チェック。
生年月日(Date of Birth、デートオブバースだがここでは訛っててデーロォブァとか聞こえる)は、診療所でも病院でも訊かれることが多いのでスラスラと言えるようになっておくと便利。

問診票を受付のおばさんに渡してしばらく待つ。
診療所では触診のみ。自分では腹全体が痛いような気がしていたが、押されると確かに下腹部右下がいてえ。
ベッドで寝込んでいた時に腹痛についてググり、尿路結石か虫垂炎かと見当は付けていたが、虫垂炎(appendix、appendices)の可能性があるとのこと。
ただ、ここでは検査機器(CAT Scanとか言ってた。CTと同意らしい)が無いのでこれ以上の診断は出来ない。紹介状を書くからこれ持って今から言う病院の緊急コーナーに自力で行ってくれ、的なことを言われる。
EMERGENCYな場所に行かなきゃいけない割には、送ってくれたりとかそういうホスピタリティは無いのね。さすがアメリカ。
マジかーと思いながらも再びUBERを呼ぶ。
道中で一度道を間違えられたが、とりあえず病院へ到着。

病院

ここの病院はとにかくでかい。そして変に密集している気がする。UBERドライバーも同じことを言ってた。
UBERから降りて「EMERGENCY→コッチ」って書いてある看板の通りに進んだが、割と時間がかかった・・・。道中でエレベーターに2回乗る。迷路か。
やっとの思いで着いた緊急コーナー。先ほどの診療所で渡された紙を受付のおばさんに渡す。

しばらく待つ。看護師がでかい声で名前を呼び、呼ばれた人が中に入っていく。日本とほぼ同じ。
医者との面談前に看護師に症状を訊かれる。さきほど診療所で言われたように、腹痛があり虫垂炎の可能性があるのでこっちに来たと伝える。
程なくして医者が来て、症状を訊かれる。・・・さっきの看護師は何のためだったのだ。全く同じことを返す。
触診。同じ所が痛む。足を伸ばした状態でかかとの後ろを叩かれたが、そちらは特に痛みなし。
終わったらしばらく待たされ、カウンターのような場所へ移動。
おばちゃんの質問にひたすら答える。ここで保険に加入していることを証明する物ID(パスポートなど)が必要。

次に尿検査。特筆する点なし。
血液検査。気の良さそうな中韓系のおじさんに鼻歌交じりで血を抜かれる。
CT。ここで薬品を注射されながら撮られるが、この薬品のせいで体が一瞬ものすごく熱くなる。あと、口が酸っぱ苦く涎が止めどなくあふれた。
アルコール系かと思ったが、あとで調べてみると違うみたい。

で、診断結果。
虫垂炎の可能性あり
虫垂炎と虫垂炎ではないという検査結果のちょうど境目くらいのが僕の状況だったらしい。
ネットで調べた時は「薬で散らす」ということができる云々とか書いてあったのでそれを主張してみたが、外科医は頑なに切除を主張。ジャック・ザ・リッパーかお前は。
でもアメリカにいる最中に再発しても嫌なので、今回は外科医に従ってみる。痛いのはもう嫌だ。

手術

手術に決まった直後からの動きはめっちゃ早かった。今までの検査過程での時間のかかり方はなんだったんだってほどに・・・。
ものの数分で手術室までの直行便(ベッド)がスタンバイ。手術を受ける服に着替え、それに寝っ転がると数分で手術室手前の部屋へ。
待ってと言うこともできなかったので、ここで会社と親に連絡。親めっちゃ驚いてる。
私物持ち込みに制限があるらしく(当然だ)、荷物は全て病院側で用意したビニール袋と持ってきたリュックの中に放り込む。
あー、人生初の手術かー、と思っていると点滴がセットされ、1分足らずで意識が飛んだ。

気付くと回復室の中にいて、腹の痛みが変わっている。
看護師が来て、全部終わったとのこと。
あと、気道確保のため酸素マスクを付けていたので、喉の渇きがやばかった。
かすれる声で話していると、それに気付いた看護師が氷の入ったカップを持ってきた。いやちょっと待て、手術後に白湯とかから慣らしていくならまだしもいきなり氷はまずいだろ、とは思いながらもそれを口にする僕。うまい。
回復室の中からまだ醒めきってない頭をフル回転させて親と上司にメール。ここの回復室は割と自由が効くようだ。
しばらくして経過よしと認識されたのか、個室へ移動になる。3人や2人部屋とかでも良かったのだが(「最高の人生の見つけ方」とか良いよね)・・・。

入院

というわけで入院。
同僚にもメールを飛ばす。すぐにホスピタリティ溢れんばかりの返信が返ってくる。良い奴らだ!
先ほどの外科医(執刀医)が来て、腹腔鏡手術をしたこと、開いてみたらやっぱり虫垂炎だったので切って正解だったこと、明日退院(!)ということを一つ一つ説明してくれた。
が、英語だったので実際半分くらい分かってない。
そもそも自分の腹の中の写真見せられて「ここ虫垂でこれが虫垂炎の証拠」とか言われても、そういう体内の医学的知識無いから「ヘーソーナンデスネー」としか言いようが無い。
日本だとグロ耐性無い人多そうだからこっちならでは、という感じですかね。

で、それが終わると放置。時々氷をカリカリと食べながらひたすら時が経つのを待つ。
途中、トイレに行きたくなったので看護師を呼ぶ。
次から点滴のコンセント引っこ抜いて自分でトイレ行っていいよというワイルドなご助言をいただく。
リクライニングベッドなので寝心地は悪くない。
テレビも付いているが、大体この時間帯は裁判の番組をやっているようだ。
何言ってるか分からないし、何に対して争ってるのかわからないので、見ていてもあまり面白いものではない。
仕方ないのでネットサーフィンでもしていよう。突然の手術からの病室でもネットサーフィンができる、そうiPhoneならね。使ってたのはLGですが。
・・・電池がなくなってきたのでダメ元で看護師に頼んで見る。「That's a good question.」とか言いながら持ってきてくれる。LightningとMicro USBの両方。
Microの方はケーブルが短いので、ちょっとしんどい。2台持ちなのです。
そんなこんなで2時間に一回点滴と僕のバイタルチェックに看護師が来る以外は平和でした。

退院

翌日。
朝起きると看護師が入ってきて調子を訊かれる。
昼までぼうっとしていると、医師から健康チェックを受けた。特に問題なかったらしく、食事の許可が出た。
アメリカの病院食ってどんなだろうな♪とワクワクしていたが、待っているとメニューを渡され、
この番号を押して頼め。油物ではなく、消化に良いものをオススメするよ」
あ、そういうシステムですか。

ちなみにメニューはこんなの↑
チーズだの肉だのタコスだのと、病院食らしきものが一つもねえ・・・
とりあえずオートミールとりんごジュース、プレーンのヨーグルトを頼んでみた。

↓オートミールは何度見ても、しもつかれ・・・いやなんでもない。


一日半絶食して胃腸系が完全にやられていて食べるのに一時間以上かかった。
オートミールは完全に無味で、半分くらい残してしまった。
バイタルを計りに来た看護婦に喰ってるところを目撃され、何故か褒められた。

そこから同僚が迎えに来てくれる5時過ぎまでは特に何もなかった。
ただ暇だったのと、寝過ぎか何かで頭痛がひどくて何もできなかった。

で、退院。
電撃入院過ぎて何も持って来られなかったので、ここに来た時の服をもう一度着る。
痛み止めと便秘薬の処方箋的な紙をもらった。大きさはシノゴフィルムくらいの大きさ(分かりづらい。4インチx5インチ)。家の近くのCVSやWalgreensに行って渡せば薬がもらえるとのこと。
病院内でもらえないのかあ。
帰りにCVSに寄ってもらい処方箋を提出。
前のおばあさんでめちゃくちゃ戸惑っていて、30分くらい待たされた挙句、できたらテキスト送るから後日また来いとのこと。即日じゃねえのかよ。
ヨーグルトをいくつか買い込み、帰宅。
二週間後に状態を見たいからまた来いと執刀医に言われたが、まあその時までには一人で行ける程度には回復しているでしょう。

ちなみに翌々日電話したら「一つだけなら来てるよ」との事だったので行ってみたら、便秘薬だけが来てた。
痛み止めの副作用をどーにかする薬なのに下剤だけ先に来てどーすんだよ
そして退院から2日経ってまだ痛み止めが処方されないとか・・・
改めて病院の外でのアメリカの医療について考えさせられたのでした。

まとめ

  • 虫垂炎かなと思ったら食事はやめておいた方が良い。検査に悪影響があるか、検査できない可能性が示唆された。
  • 自力で動ける人は可能な限り救急車を避けるべき。タクシーサービスあるいは自分で(誰かに頼んで)運転して行ったほうが良い。
  • そもそも可能な限り病院や診療所へ行くのも避けるべき。市販薬で対応する謎文化な為。
  • 病院の中と外で対応が全く違う。特に薬関係。
  • 病院によっては食事がメニュー式。好きなのを頼む。
  • 保険に加入していることを証明する物とパスポート、社員証は携帯しておく。
  • 処方箋を入手した場合はCVSやWalgreensなどの医薬品を扱うコンビニか薬局に持っていけば(時間はかかるが)、薬は入手できる。
  • 生年月日をスラスラ言えるようにしておかないと恥をかく。

2017/5/16追記
保険から内訳が郵便で届きました。
詳細は見てないのですが、トータルで600万円かかっていたそうです。。。
保険から全額出たので、個人からの負担はゼロでしたが、アメリカに住む場合は保険に入っておいた方が良いというのを肌で感じた瞬間でした。

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