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Azukish

消えゆく世界と流れる未来に最後の灯を since 2006/4/3

2012/10/27

カメラの性能>人間の性能

カメラはほとんどがデジタル化された。
まあ、自分はフィルムカメラも使ってはいるが。

次々とデジタルカメラが市場に投入されているのは周知の事実だろう。
フィルムカメラの事業は縮小されざるを得ず、ちょっと前の話になるが、コニカミノルタやコンタックスなどのカメラをやっていた会社がカメラ事業から撤退した。
おそらく、この潮流に乗り遅れたのだろう。

今や、市場に出るほとんどのカメラはフィルムカメラではない。デジタルカメラだ。
自分たち消費者は、最新の画質を得るためにはボディを買い換えなければいけない。
フィルムの時代は、フィルムが最新ならば、古いカメラにも入れられた。
今は、レンズは古いものでも確かに付くかもしれないが、素子に関しては新しいものを買わなければいけない。

最近は、その素子の画素数の上昇もストップ気味である。
確かに、黎明期の時代には画素数の上昇こそがカメラの性能を示していたといっても過言ではない。
ただ、今や、画素数が上がりすぎていて、もうこれ以上上げる事にあまり必要性が無くなってきたとも言えるのだろう。
だからこそ、画素数以外の部分で勝負することが多くなり、カメラは機能過多になってきている。

機能過多。それが今日のメインテーマ。

自分は、今、ニコンのFE2とD7000を所持している。
FE2はシンプルな機能を持つ軽いフィルム一眼レフで、D7000は多少の雨や風ならへっちゃらで、しかも画素数も申し分なく、FE2よりも最高シャッタースピードが二倍速く、かつSDのダブルスロットで、ユーザに「他に必要なものある?」と思わせるようなデジタル一眼レフだ。

実は、自分はFE2の機能すらも使いこなせていない。カメラには最近参入した青二才、上手い人からは猿未満だ。
D7000の限界なんて到底見ることができるはずもなく、D7000の性能を評価するサイトを見る度に新鮮な気持ちになるほどだ。

ただ、最近思うのは、等倍にする必要性についてだ。

「等倍にすれば」、「MTF曲線によると」、「連射の速度は」、「画質が」「オートフォーカスの速さは」・・・。
これらはすべてカメラの評価サイトに一般的に書いてあることだ。

自分はこの考え方にナンセンスを少し感じる。

もちろん、ある程度の画質の確保は必要だ。
D1時代の200万画素程度を四切に印刷したら、ボロボロなのは簡単に理解できる。
ただ、全紙に印刷しなければ分からないような画質の評価に何の意味があるのだろう。
大多数の人間は、L判のサイズで結構満足するはずだ。まあ、コンテストに出すなら四切やA4のサイズだろうが。

要は、一部の人でないと、その違いなんて分からないのだ。
もちろん、技術の進歩的には、どんどん画素数の良い、AFがバカのように速い、連射の効く、そんなカメラが開発された方がいいのだろう。
しかし、人間はどうだ?
数百年前、千年前から何も進歩していないのではないだろうか?

技術だけが進歩し、人間だけが遅れている。

次から次へと最新の技術が投入される割には、肝心の人間がそれに追従できないのだ。
目的の形骸化。
人間のための技術が、いつの間にか技術のための技術になりつつある。
それが、日本や他の技術の国の閉塞感の根幹なのだとすれば、きっと他の分野でもこの言葉が成り立つだろう。
だからこそ、中国や他の人件費の安い国がどんどんと先進国を追い詰めているのであり、これに打ち勝つような新しい価値観を見出せない限り、これらの国に勝つことはできない。
それと同じく、これらの国に負けたとしても、これらの国もすぐに衰退することだろう。
だから、自分たちの年代の人間は、世界に失望を抱いていても仕方のないことだと、そう思う。

カメラの技術だけを見ても、すでに人間を追い越している。
カメラの見る世界は、人間の見る世界よりもずっと鮮やかで、かつ美しい。
そして、すべてのレンズやカメラは個性を失いかけけている。
だからこそ、最近のクラシックカメラのブームはあちらこちらでくすぶっているのであり、個性のあるような昔の銀塩のカメラがどんどん中古ではけているのではないだろうか。

自分はしょっぱい写真部員であり、世の中の動きや、カメラの詳細な原理、レンズのできかた、その努力すらも分かっていないような未熟者であるが、危惧している。
その危惧が、外れていれば良い。
ただ、少し考え直さなければいけないな、などと思ったりしているのは確かだ。

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