現在、芥川賞読んでみるぞキャンペーン実施中(自分の中で)
で、全部の本を買うと金が・・・って問題があるので、市立の図書館で借りて読んでみました。
まずは2010年の上半期の芥川賞受賞作品「乙女の密告」
読んでみて、まず、純文学的だなって思った。
アンネの日記、全文読んだわけじゃないけど、やっぱり読んだ方が分かりやすいんだろうな。
ドイツ語を勉強してる女子大生の「乙女とは何たるか」ってのをひたすら考えていく練りに練った物語。
ただ、自分は平成っ子なので、その時代の文学書かれても、よく思い出したりすることができないのね。それが非常に残念。
もしも昭和の、セピアなテイストのする看板とか、その時の女子高生だとか、そんなのを目の当たりにすれば、非常に口当たりのいいなめらかな小説なんだろうけれども。
自分にはちょっと現実離れしてて、でも、なかなかに面白かった。
年頃の女性の考え方が凄い丁寧に描かれてて、綺麗な、清楚な、純潔な、そんな感じ。
うわー自分で書いときながらこれは酷い。
次、2010年の下半期の芥川賞受賞作品「きことわ」
貴子と永遠子の過去と現在をひたすらミックスしてく物語。
ひたすら交じり、混ざってく。
場面の変化が分かり辛いのは仕様・・・だと思う。
だけれども、それが夢と現実の境界の分かり辛さをそのまま表現できてる。すばらしい。
文面は非常に生温かくて、でもどこか冷たくて、だがそれがいい。
読んでて、もちろん、分かり辛い表現も結構あったけれども、ぬるりって感じで小説に飲み込まれてく。
ひたすら夢の境界線を彫り進めていくような物語で、よかった。
自分も、こんな小説が書けるようになりたいナーなんて、そんな風に思ってしまうのでした☆